【リバプール・ストリート駅】ビクトリア建築と戦争の記憶が残るロンドン東部の拠点駅

ロンドン東部に位置する「リバプール・ストリート駅(Liverpool Street Station)」は、1874年に開業した歴史あるターミナル駅です。

ビクトリア朝時代の荘厳な建築と近代的な鉄道設備が融合したこの駅は、通勤・観光・歴史のすべてが交差するロンドンの交通拠点のひとつです。


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🚉 駅の概要と立地

リバプール・ストリート駅は、ロンドンの北東部「シティ・オブ・ロンドン」に位置し、主に東イングランド方面への長距離列車や郊外列車の起点となっています。

駅の南側には金融街シティが広がり、超高層ビル群に囲まれる一方、北側にはかつてのスラム街だったショーディッチ地区が隣接しており、ロンドンの歴史的変遷を感じさせる場所です。



🏛 建築と駅の特徴

開業は1874年。駅の設計は英国鉄道会社「イースタン・カウンティーズ鉄道(GER)」によるもので、当初はさらに南の建設地が計画されていましたが、許可が下りず、現在の場所に建設されました。

その敷地にはかつて「王立ベスレム病院」がありました。現在もその名残として、歴史ある石造りの構造やアーチ型の天井が駅構内に残っています。


📜 戦争とキンダートランスポート

リバプール・ストリート駅は、第一次世界大戦中にドイツ軍の空襲を受けた数少ない駅の一つであり、戦争の記憶を今に伝える記念碑が構内に残されています。

また、第二次世界大戦前夜には「キンダートランスポート(Kindertransport)」と呼ばれるナチス迫害から逃れたユダヤ人の子どもたちを受け入れる玄関口としても重要な役割を果たしました。

現在もホームの片隅に、小さな銅像「The Arrival(到着)」があり、訪れる人々に当時の人道的救済活動を思い起こさせます。


🔍 見どころとアクセス路線

  • 🏛 歴史的アーチ天井: 高く美しいビクトリア朝様式の構内天井
  • 🕊 戦争記念碑: 第一次・第二次大戦に関連する慰霊碑
  • 🚆 エリザベス線接続: 近年開通した高速都市鉄道との接続が可能
  • 🛍 商業施設: 駅構内にはカフェ、ショップ、書店など多数

駅はロンドン地下鉄のセントラル線、サークル線、ハマースミス&シティ線などが乗り入れており、市内どこへ行くにも便利な拠点です。


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