【カンタベリー大聖堂】イングランド国教会の中心⛪トマス・ベケットと巡礼の聖地
今回は、イングランド南東部ケント州カンタベリーにあるカンタベリー大聖堂(Canterbury Cathedral)をご紹介します⛪️ 歴史・宗教・文学のすべてにおいて重要なこの聖堂は、イギリス中世史と信仰の中心として今も多くの人々を惹きつけています。
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基本情報と宗教的意義
カンタベリー大聖堂はイングランド国教会の総本山であり、そのカンタベリー管区の中枢として機能しています。創建は597年にさかのぼり、最古のキリスト教建築のひとつでもあります。
11世紀以降には現在見られるゴシック様式の壮麗な大聖堂として再建されました。1988年には世界遺産に登録され、今なお信仰の場・巡礼地・観光地として国内外から多くの人々が訪れています。
🏛️建築の特徴と内部構造
現在の大聖堂の建物はロマネスクとゴシックの混合様式で建てられ、特に高さ72mの塔や、細部の彫刻、ステンドグラスの美しさで知られます。
大聖堂の主な構造:
- 📏 全長: 約160メートル
- 📏 幅: 約47メートル
- 📏 高さ: 約72メートル
内部には、重要な人物の墓や祈りの空間が多数あり、荘厳な雰囲気を保ちつつも宗教的に機能する場所として整備されています。
ℹ️その他の情報(歴史・巡礼との関係)
この大聖堂の歴史で欠かせないのが、トマス・ベケット大司教の殉教です。彼は当時のヘンリー2世と対立し、1170年にこの大聖堂内で暗殺されました。
この事件はヨーロッパ中に衝撃を与え、ベケットは殉教者・聖人として祀られるようになります。彼の死後、カンタベリーは巡礼地となり、イギリス文学の古典『カンタベリー物語』(ジェフリー・チョーサー作)でもその巡礼の旅が描かれています。
さらに、この大聖堂は建築面でもイングランドの宗教建築の潮流に大きな影響を与え、数世紀にわたって信仰の中心に位置づけられました。
現在でも特別な式典や宗教的行事が数多く行われており、イングランド国王の宗教的拠点として重要な役割を果たしています。
荘厳な大聖堂を前にすると、その中に込められた信仰と歴史の重みをひしひしと感じることができるでしょう。
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