【カンタベリー・ローマン・ミュージアム】ローマ時代の足跡をたどる地下博物館🏛️
今回は、イングランド南東部・カンタベリーにあるユニークな地下博物館「カンタベリー・ローマン・ミュージアム(Canterbury Roman Museum)」を紹介します🏛️ 古代ローマ時代の遺構がそのまま残されたこの博物館では、紀元1~4世紀の都市生活の様子を体感できます。
博物館の概要
カンタベリー・ローマン・ミュージアムは、カンタベリーの街の地下に広がる貴重なローマ時代の遺跡を基盤とした博物館で、1961年に設立されました。この地域は、ローマ帝国時代には「ドゥロヴェルヌム(Durovernum)」という名で呼ばれ、南ブリテンでも重要な都市の一つとして栄えていました。
博物館がある場所は、第二次世界大戦中の空襲で地上の建物が破壊されたことにより、偶然その地下にあったローマ時代の建築遺構が発見されたという背景があります。現在では、イギリス政府によって「グレードI指定建造物」にも登録されている価値の高い文化財です。
見どころ・展示内容
この博物館の最大の特徴は、実際に保存されたローマ時代の「舗道付きの中庭住宅」を見学できることです。モザイク床や壁面装飾が残っており、約2000年前の生活空間に直に触れることができます。
館内では、以下のような展示が楽しめます:
- ✨ ローマ時代のモザイク床: 精緻な幾何学模様が残る床面。保存状態が極めて良好。

- 🪙 日用品・貨幣・食器: 出土品から当時の暮らしを読み解く。
- 🗺️ 町の復元模型: ドゥロヴェルヌムの街並みを再現した立体模型で、都市計画や構造が学べる。
- 💎 カンタベリー・トレジャー: 後期ローマ時代の貴重な銀器セット。
展示物は英語での解説のほか、一部は音声ガイドやパネルなども充実しており、ローマ文化に詳しくない人でも楽しめます。
その他の情報
この博物館は単なる展示施設ではなく、ローマ時代の「生きた遺跡」の上に建てられた、非常に珍しい構造をしています。その中庭付き住宅は、当時の裕福な市民の家であったと推定されており、モザイク床や暖房システム(ハイポコースト)の痕跡まで確認できます。
また、博物館の構造自体が都市遺構を保存するために工夫されており、建物が地中深くに設置されている点も注目です。第二次世界大戦の破壊によって偶然発見されたという経緯からも、歴史の偶然と保護の重要性を感じさせられます。
カンタベリー大聖堂や旧市街の観光と合わせて訪れることで、この街の「表」と「地下」の歴史をセットで体感することができます。地上の宗教的遺産と、地下に眠る古代ローマ文明の融合を見られるのは、イギリス国内でも非常に貴重な体験です✨
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