【モン・サン・ミッシェル】神秘の巡礼島で中世の面影と絶景を堪能しよう

フランス北西部のノルマンディー地方、海岸線からわずか1km沖合に、まるで天空にそびえるかのような神秘の巡礼島、モン・サン・ミッシェル(Mont Saint-Michelが佇んでいます。天へと伸びる尖塔を中心に、要塞化された褐色の建物群が威厳を放ち、その姿はまさに息をのむ絶景です。

中世から数えきれないほどの巡礼者たちを受け入れてきたこの島は、満潮時には島全体が海に囲まれるという、世界的にも珍しい光景を見せてくれます。潮の満ち引きとともに刻々と表情を変えるその姿は、訪れる人々を魅了し、まさに神秘としか言いようがありません。ため息が出るような絶景を心ゆくまで堪能してください。

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⛰ モン・サン・ミッシェルについて

ノルマンディーの海岸線からわずか1km沖合に位置するモン・サン・ミッシェルは、天に聳える尖塔を中心に、要塞化された褐色の建物群が威厳を放っています。

中世から多くの人々を魅了してきた巡礼島は、満潮になると島全体が海に囲まれるという神秘的な光景を見せます。潮の満ち引きとともに刻々と表情を変えるその姿は、訪れる人々を魅了してやまない、まさに息をのむような絶景です。



🚗 パリからのアクセス

     
  • パリから電車とバスを乗り継いで、通常3~4時間ほどかかります。
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  • 移動距離は約360kmです。

※今回の研修では、専用車を用いて約5時間程度かけて移動するそうです。


📜 巡礼島の歴史

修道院がそびえる島

モン・サン・ミッシェルは、サン・マロ湾に浮かぶ小島で、高さ約80mの岩山を覆うように壮麗な修道院が頂上にそびえ立っています。中世より多くの巡礼者を受け入れてきたこの島は、その歴史的・文化的価値が認められ、1979年にユネスコ世界遺産に登録されました。

大天使ミカエルのお告げ

「モン・サン・ミッシェル」という名は「聖ミカエルの山」を意味します。その始まりは708年、大天使ミカエルがノルマンディーの街アヴランシュに住むオベール司教の夢に現れ、「かの岩山に聖堂を建てよ」と告げたことに遡ります。司教が2度のお告げを信じなかったため、腹を立てたミカエルが3度目の降臨の際、司教の頭に指を差し込んだという逸話が残されています。その指の跡があるという頭蓋骨は、今もアヴィランシュの教会に保存されています。

戦乱と革命のなかで

709年に最初の聖堂が建てられ、10世紀にはベネディクト会修道院が創立されました。11世紀から13世紀にかけての増改築により、現在の姿に近い形になりました。しかし、14世紀から15世紀にかけての百年戦争の時代には要塞化され、18世紀のフランス革命後は牢獄としても使用されるなど、歴史に翻弄されてきました。しかし20世紀に入り、修道院として見事に復活を遂げ、現在に至ります。


🚶‍♀️ 中世の面影残る巡礼島内を散策

見学所要時間:約3~4時間

堅牢な城壁に囲まれた島内へ一歩足を踏み入れると、石畳の道が続く古き良き街の風景が広がります。中世にタイムスリップしたかのような雰囲気を存分にお楽しみください。

干潮時だけの特別なスポット:聖オベール礼拝堂

聖ミカエルのお告げを受け、モン・サン・ミッシェルに最初の教会を建てたオベール司教を祀る礼拝堂です。潮が引いている間は、ガブリエル塔の先から近くまで歩いて行くことができますが、内部の見学はできません。足元には十分注意して散策しましょう。

島内の主な見どころ

     
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    大通り門

       

    島に入って2つ目の門。ここを抜けると、島のメインストリートであるグランド・リュ(大通り)に出ます。3つ目の門を守るための重要な役割を果たしています。

     
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    王の塔
       

    島の入り口に最も近い見張り塔で、大通り門を抜けて右手に見えます。この塔から一番奥のクロディーヌの塔まで、8つの塔が城壁の上の道で繋がっています。塔の上にはフランス国旗とノルマンディーの赤い旗が力強くはためいています。

     
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    王の門

        

    侵入者を防ぐための跳ね橋が特徴的な門です。島の入り口にある突出門、次にある大通り門の先に位置します。門の上のスペースは、現在もモン・サン・ミッシェルの役所として利用されています。

     
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    自由の塔

       

    美しい眺めを満喫できるスポット!王の門を抜け、右側の城壁への階段を上ると、島の南側の見張り塔にたどり着きます。ここから眺める修道院の姿は、ひときわ美しく感動的です。

     
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    グランド・リュ



      

    修道院へと続く、島のメインストリートです。細い坂道の両側には、ホテルやレストラン、可愛らしいお店が軒を連ねています。食事やお土産探しは、ぜひこのグランド・リュでお楽しみください。

     
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    サン・ピエール教会


       

    グランド・リュの先、洞窟内にある珍しい教区教会です。内部には銀製の大天使ミカエル像や美しいステンドグラスが飾られています。ロザリオやメダルなども手に入れることができます。

     
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    モン・サン・ミッシェル修道院



       

    モン・サン・ミッシェルの頂上にそびえ立つ、まさに島のシンボル的な建物です。内部は複雑な構造をしており、見どころが非常に多く、歴史と信仰の深さを感じさせます。

     
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    ガブリエル塔



       

    1524年に建設された、西側の見張り塔です。当時の最新兵器であった大砲にも耐えうる強固な構造で、敵の攻撃を許しませんでした。19世紀からは灯台の役割も果たし、その名前は建設を担当した建築技師のガブリエル・デュ・ピュイに由来します。

     
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    ファニル入口

       

    堅牢な城壁に囲まれた、西側にあるもう一つの島への入口です。ここから修道院へと続く西側のルートは、お土産物店などが少なく、静かに散策を楽しめます。入口すぐの建物には文化財センターなどが入っています。

     

☕ カフェでひと休み

修道院と海を望むテラス:ラ・ヴィエイユ・オーベルジュ

かつて礼拝者の宿だった歴史ある建物で、現在は歴史的建築物に指定されています。海に面したテラス席は開放的で気持ち良く、修道院を間近に仰ぎ見ながら伝統料理を味わえます。


湾沿いに佇むカフェ:ラ・ヌーヴェル・テラス

開放感たっぷりのテラス席はもちろん、店内からも美しい湾を一望できる城壁沿いのカフェです。気さくな雰囲気の中で、ノルマンディー名物のリンゴのタルトを味わいながら、旅の疲れを癒しましょう。



⛪ モン・サン・ミッシェル修道院内部を見学

見学所要時間:約1時間

モン・サン・ミッシェルといえば、島の岩山を覆うように建つ重厚な修道院は必見です。様々な時代の流れを感じさせる、その複雑な内部構造を探検しましょう。

修道院内部の見どころ

     
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    修道院入口

       

    両脇に2つの塔がそびえ立つ建物「シャトレ」が修道院の入口です。その間の急な階段を上ると、かつての守衛室があります。ここから修道院の内部へと足を踏み入れます。

     
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    大階段

       

    かつて巡礼者たちが行列をなして上った、修道院付属教会へと続く階段です。教会の土台と修道院住居の間に造られ、住居部分は14世紀から16世紀にかけて建てられました。

     
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    西のテラス

       

    修道院の西側、教会の正面に広がる大きなテラスからは、ノルマンディーからブルターニュまで、神秘的な湾の風景をワイドに楽しめます。敷石には、当時の石工たちが彫った印や文字、数字が今も残されています。

     
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    修道院付属の教会

       

    心洗われるような静謐な空間が広がる教会は、11世紀に完成した後、何度か崩壊と修復を繰り返しました。本堂は11世紀から12世紀のロマネスク様式、内陣と後陣は15世紀から16世紀にゴシック様式で再建されています。繊細なステンドグラスも厳かな雰囲気を醸し出しています。

     
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    回廊

       

    修道僧たちの瞑想の場として使われていた回廊です。二重に建つ円柱をわずかにずらすことで、柱が延々と続くような錯覚を起こさせる精巧な細工が施されています。柱に彫られた美しい彫刻にも注目してください。

     
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    食堂



       

    かつて修道士たちが交代で聖人伝を朗読しながら、黙々と食事をしていた部屋です。美しくカーブしたアーチ天井や、ほのかに光が差し込む59もの小窓が神秘的な印象を与えます。建物の重さを抑えるため、天井は木製になっています。

     
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    迎賓の間

       

    修道士の食堂の真下に位置し、巡礼に訪れた貴賓をもてなすための部屋です。ルイ9世やフランソワ1世など、多くのフランス国王もここを訪れたと伝えられています。

     
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    大柱の礼拝堂



      

    円周5mもある10本の太い円柱が特徴の地下礼拝堂で、教会を支える土台の役割を担っています。修道院で裁きを受ける人の控えの間としても使われていました。大円柱のほかに細い柱もあり、これら全体で教会の床や主祭壇を支えています。

     
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    聖マルタン礼拝堂

       

    南側の土台となる建物で、9mのアーチ形天井の礼拝堂は、均整の取れた美しさを誇ります。建設当時の姿を今もとどめており、厚い壁をくり抜いた小窓の造りも素晴らしいです。

     
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    聖エティエンヌ礼拝堂

       

    19世紀まで死者の安置所だったチャペルです。祭壇に向かって左手の壁には、キリストの亡骸を抱く聖母マリアの像「ピエタ」が置かれています。祭壇の下に刻まれた「AΩ」の文字は永遠を表しています。

     
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    修道僧の遊歩道

       

    11世紀のロマネスク様式から、改築でゴシック様式へ移行する建築様式の変化が見られる場所です。19世紀に遊歩道と名付けられましたが、何のための部屋だったかは未だ解明されていません。

     
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    騎士の間

       

    2階にある修道僧たちの仕事部屋です。「騎士の間」という名称は、聖ミカエル騎士団に因むものです。修道士たちはここで写本や彩色を行いました。柱にはアカンサス模様が施され、天井まで届く大きな暖炉も設置されています。

     

🛍 グランド・リュでグルメ&ショッピング

趣深いメインストリート、グランド・リュの両側には、小さくて愛らしいお店が軒を連ねています。ランチや、ここでしか手に入らないお土産探しに、十分な時間をとってゆっくりお楽しみください。

おすすめレストラン

     
  1.    

    ラ・メール・プラール

       

    1888年創業の老舗レストラン。巡礼に訪れた人々のために、プラールお母さんが暖炉で作る巨大なふわふわオムレツを発案したのが始まりです。他にも、仔羊やオマールエビの絶品料理も楽しめます。

     
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    オーベルジュ・サン・ピエール

       

    国の文化財に指定されているホテルに併設されたレストランです。伝統料理のほか、仔羊やムール貝など、ノルマンディー地方の地元名物を、自慢のシードルとともに心ゆくまで堪能できます。

     
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    ル・トリポ

       

    気軽に郷土料理を味わいたい方におすすめ。地域名物である仔羊のプレ・サレ(塩気の効いた牧草で育った仔羊)がいただけるほか、ムール貝のマリネ、クレープなど、郷土料理が満載です。カフェとしても利用できるのが魅力です。

     

おすすめショッピングスポット

     
  1.    

    ラ・ブティック・ド・ラ・メール・プラール

       

    巨大オムレツの創案者として有名なラ・メール・プラールが手掛けるショップ。可愛らしいパッケージやロゴマークの商品は、お土産に大人気です。グルメなお土産を探すなら、まずここを訪れましょう。

     
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    リブレリー・デュ・サンクチュエール

       

    グランド・リュの端にひっそりと佇む、島で唯一の書店です。巡礼者向けの宗教書や島の歴史に関する書籍のほか、修道院の製品、カトリック関連の小物、そして地元で作られた食品や雑貨など、幅広いお土産品を取り扱っています。

     
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    ラ・ポルト・デュ・ロワ

       

    品揃え豊富な「お土産デパート」とも呼ばれるショップです。ありとあらゆる地元特産品が手に入ります。陶器やタペストリーの品揃えも充実しており、ノルマンディー発のファッションブランド「セント・ジェームス」の商品も取り扱っています。

     

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